テクニカルデータ

itpのスタイラスは高精度・高品質な先端球を使用しています

測定機用スタイラスで重要なことは先端球の品質です。itp製スタイラスは球のグレード3から5に相当する高精度・高品質な先端球を使用しています。

先端球の材質は用途に応じて各種選ぶことができます。昔は超硬球が多く使われていましたが、現在では工業用の合成ルビーが一般的になっています。ルビー(赤色)とセラミック(乳白色)は主成分が同じアルミナ(Al2O3)で、単結晶のルビーに比べ多結晶のセラミックはコストが低いため大きな球によく使われます。ともに十分な硬度を持っています。

しかしルビーやセラミックはアルミニウムと成分的に同族なため、化学的に結合してしまう「凝着磨耗」を起こしやすいです。そのためアルミニウム製ワークのスキャニング測定には適さないとされています。

これに対し、シリコンニトライド(窒化珪素、黒色)はアルミニウムと結合しないためアルミニウム製ワークのスキャニング測定に適しています。
※超々ジュラルミンなど一部の材質ではシリコンニトライドでも凝着摩耗を起こす場合があります

これらルビーやセラミック、シリコンニトライドは十分な硬度を持っていますが、破壊靭性が低く欠けやすい性質を持っています。そのため鋳鉄製ワークのように硬くて表面が粗いものを連続してスキャニング測定すると短時間で磨耗してしまう場合があります。

ジルコニア(白色)は非常に破壊靱性が高く欠けにくいため、そのようなワークのスキャニング測定に適しています。しかしアルミが堆積してしまうので、万能というわけではありません。用途に応じた使い分けが必要です。

その他、セラミック球をベースにダイヤモンド粉末でコーティングしたタイプもあります。これはワーク材質が堆積しても剥がすことができ、しかも非常に耐摩耗性に優れているのでダイヤモンド球よりローコストで長期間使用できます。

先端球の材質について

* ISO3290-2002, AFBMA3290, DIN5401-11 の球に関する規格による

ルビー球セラミック球シリコンニトライド
(窒化珪素)球
ジルコニア球
材質合成ルビー
単結晶
Al2O3
酸化アルミニウム
多結晶
>99,9 Al2O3
シリコンニトライド
多結晶
SI3N4
ジルコニア
多結晶
ZrO2
形状誤差10,08μm –
0,13μm
0,08μm –
0,13μm
0,08μm –
0,13μm
0,08μm –
0,13μm
直径誤差0,08μm –
0,13μm
0,08μm –
0,13μm
0,08μm –
0,13μm
0,08μm –
0,13μm
表面粗さ Ra0,007μm –
0,008μm
0,007μm –
0,008μm
0,004μm –
0,005μm
0,007μm –
0,008μm
ビッカース硬度22400210016001200
密度3,99 g/cm33,85 g/cm33,20 g/cm36,05 g/cm3
熱膨張係数5,4•10-6K-18,0•10-6K-12.9•10-6K-110,5•10-6K-1
圧縮強度
(MPa)
2100380030002000
曲げ強度
(MPa)
400470>1000700 – 1100
破壊靱性3
(MN/m3/2)
14>6,510

1 グレードは ISO3290、AFBMA3290、DIN5401のG3からG5に相当(項目による)
2 超硬合金のビッカース高度は1700(下の表)
3 「破壊靱性」は脆さ、欠けやすさの目安として粘り強さの度合いを表したもの

シャフト / エクステンションの材質について

 材質硬度密度
チタン3,7035 グレード2150(ブリネル硬度)4,5 g/cm3
ステンレススチール1,4305300(ビッカース硬度)7,95 g/cm3
超硬合金
(タングステンカーバイド)
DK 1201700(ビッカース硬度)15,0 g/cm3
セラミックAlsint 99,79(モース硬度)3,85 g/cm3
カーボンファイバー4曲げ強度 > 450 GPa 、 熱膨張係数 -0,4 x 10-61/K

4 サーモフィットカーボンはカーボン繊維を特殊な方法で巻き固めたもので、剛性が高く温度特性も良い

スタイラスの各部寸法について

DK先端球直径
※直径0.7mmから30.0mmまでのボールは穴あけされ、差し込み式で接着されています。直径0.5mm、0.6mmの穴あけはオプションで選択可です。
DS1/DSシャフト直径
※シャフト材質は超硬合金、セラミック、ステンレススチール、カーボンファイバー、チタンチューブ
DGベース部直径
※ネジ径により異なります
M2 = 3 mm / M3 = 4 mm / M4 = 7 mm / M5 = 10 mm (レニショー、ミツトヨ仕様) / M5 = 11 mm (ツァイス、東京精密仕様) / M5 = 12 mm (ライツ仕様) / M6 = 16 mm
ML1/ML測定長さ
※シャフトの根元から先端球の先端までの長さです。メーカーによっては球中心までの長さで表示されています。
L全長
※ベース部取り付け面から先端球の先端までの長さです。メーカーによっては球中心までの長さで表示されています。